剣より強し クリフトン年代記 第五部 ジェフリー・アーチャー著

豪華客船『バッキンガム』を狙った爆破事件。
ハリーの機転によりハリーとジェイルズは爆弾が仕込まれた大きな花瓶を
ファーストクラスの船室からアッパーデッキまで運び上げ、それを舷側から
海へ投げ捨てた直後に爆発があり間一髪の処で難を逃れた。

ハリーは、ソヴィエトの刑務所に強制収容された通訳アナトーリィ・ババコフ
の釈放活動を行う。ソヴィエトに乗り込む前に彼の妻に会いにいく為、米国へ赴く。
そこで夫のババコフが書いたスターリンの悪事を暴いた本『アンクルジョー』が
モスクワの古本屋に二都物語のハードカヴァーで隠されている場所をハリーは彼女から教えてもらう。
英国政府のバックアップもあり、単身モスクワへ『アンクルジョー』を手に入れる為、乗り込むが
既にモスクワでは秘密警察が監視の目を光らせており、ハリーが古本屋で『アンクルジョー』を手に
した途端、秘密警察が『アンクルジョー』を取り上げて、留置所に入れられてしまう。
そこで、アナトーリィ・ババコフに会うことが出来、彼から『アンクルジョー』の内容を聞く。
留置所では、国外追放されるかシベリアで12年間の労働奉仕をするか究極の判断をしなければ
ならず、嘘八百の供述書にサインをして国外追放される。
飛行機で英国へ帰国中、ソヴィエト上空を通り過ぎた時点で、ありとあらゆる紙をキャビンアテンダント
にお願いしてかき集める。その紙に留置所でババコフから聴いた『アンクルジョー』を一語一句間違えない
ように、紙に書き写した。
そしてついに『アンクルジョー』の復元に成功する。
スターリン死後の三人の権力争い(フルシチョフ、べリア、ヌレンコ)
も描かれていて滑稽で面白かったです。

セバスチャン(ハリーとエマの息子)は好きだったサマンサが忘れられず、ついに居所を突き止めて
彼女の家を訪問するが、既に別の男性と結婚していた。しかしその男性は、病院に入院中でありいつ目を覚ますか分からない状態。
子供が居り、名前はジェシカと言い、絵を描くことに長けていることが判る。
セバスチャンは、出生の秘密を知り、不幸が重なり自殺した妹ジェシカのことを思い出す。
顔も表情も妹のジェシカにそっくり!ひょっとしたら、このお嬢さんは自分とサマンサの間に出来た子ではないか?

ジャイルズ(エマの兄)は、性悪女であるヴァージニアとは既に離婚をしており、今の妻とは仲良く暮らしていた。
彼は、国会議員であり、欧州の国際会議参加の為、東ドイツを訪れる。
そこで通訳であるカリン・ぺリンジャ―といい仲になってしまう。
(東ドイツの諜報機関によるハニートラップか?)
ジャイルズは、英国へ帰国後、彼女に手紙を出すが、後日、開封されていない状態で返ってくる。
結局、東ドイツでのカリンとの仲睦まじい姿の写真が英国のマスコミにリークされてしまい、
現妻は、実家に帰ってしまい、結局、ジャイルズは、二度目の離婚をする。
選挙の時期となり、ジャイルズは労働党から立候補するが、保守党から立候補したフィッシャーに
僅差で負けてしまい、国会議員の資格を失ってしまう。
これに懲りず、ジェイルズは、カリンとの愛を確かめたく、東ドイツへ再訪することを決心する。
なんか、ジェイルズは、エロおやじ。

エマは、ジェイルズの最初の妻であるヴァージニアから名誉棄損で訴えられていた。
バリントン海運の経営危機にもさらされていた。
そんな中、ジェイルズを破って保守党から国会議員になったフィッシャーに
経歴詐欺があることが判明する。
戦時中に従軍しなかったという疑惑が出て来た。
その他、バリントン海運のTOB策略等も浮かび上がって、最終的にフィッシャーも自殺する。

ここで第5部は終わり、第6部へ。

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