小さき王たち 第一部 濁流 堂場瞬一著

東京で育った幼馴染の高樹治郎と田岡総司。
高樹は大学を卒業後、東日新聞に入社し、新聞記者となる。
入社してまずは、新潟支局で県政を担当する。
一方の田岡は大学卒業後、一旦民間企業に就職するが、民自党衆議院議員である父親の後を継ぐ為、
私設秘書となる。
地元は新潟一区。
ここで、田岡は新潟一区出馬予定の民自党新人候補本間の応援をする。
無所属候補の東田と本間はデッドヒートをしていた。
高度経済成長下の1971年12月、高樹と田岡は大学卒業後、新潟で再開する。
田岡は当落上の厳しい候補本間の票を得る為、地元有力者へ現金をばら撒く。
総額2000万。(1971年当時のお金)
これが、東日新聞の高樹の耳に入り、取材を重ねていくうちに、友人である田岡が
黒幕である事を確信する。
が、民自党の策略により、結局、お金がばら撒かれたことは証言により確認されたが、
その罪を本間の選対責任者である石川が全てを背負いこむ。
民自党幹事長も絡み、田岡は、女優として売れ出している彼女と数年、日本から姿を消す為
英国へ留学する。
ほとぼりが冷めたら帰国するという約束で。
新潟県警も馬鹿ではないので、このばら撒きを捜査するが、ある日、上から捜査の中断を
言い渡される。
また、キャリア組である新潟県警捜査二課長がハニートラップにひっかっかり、女性との密会を
知られてしまう状況に陥り、このばら撒き事件を上に報告をしない。

東日新聞の高樹は、新聞報道の無力さを痛感する。
最後のシーン。
田岡が女優の彼女と英国へ旅立つ空港で、田岡と高樹は大喧嘩をする。

高樹『新聞記者を舐めると痛い目に遭うぞ。』
田岡 遠くない日、マスコミを完全にコントロールする能力を手に入れる。
   叩きのめして、新聞記者になったことを後悔させてやる!

第二部へ続く。

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