機は熟せり クリフトン年代記 第6部<前半>ジェフリー・アーチャー著

①アレキサンダー・フィッシャー

アレキサンダー・フィッシャー 保守党国会議員 遺書

1.レディ・ヴァージニアの三度の『バリントン海運』倒産の目論見。

これは失敗に終わる。フィッシャーはヴァージニア陣営に利用されていた。

2.サー・ジャイルズの姦通。

女王陛下の政府代表として東ベルリンを訪れ、そこで通訳のミス・カリン・ペンジャリーと一夜限りの関係を持った事。

が暴露される。

エマの人間性や、ヴァージニアの不正工作が暴かれた事により、ヴァージニアが訴えた名誉棄損は、エマの勝利で幕を閉じる。

②ジャイルズ・バリントン

フィッシャーの遺書により、ジャイルズの東ドイツ訪問時の通訳カリンとの不貞行為が暴露され、現妻は故郷に帰り、後に離婚が成立する。これに懲りず、ジャイルズは何とかして再度東ドイツへの訪問を試みる。しかし、国会議員バッチは、選挙の結果フィッシャーのものとなり、議員という肩書がなくなったジェイルズは、あらゆる策を使って、再度、東ドイツに入国し、カリンを英国へ連れ戻そうとする。英国にはカリンの父親が暮らしている。

しかし、これは東ドイツの秘密警察が仕組んだ罠で、カレンは、「シュタージ」に所属するスパイである。勿論、ジェイルズはそんな事は知る由もなく、カレンの西側逃亡に成功した事に有頂天。英国の諜報機関もカレンは、「シュタージ」に所属するスパイであることは既知の事実で、ジェイルズを使って、カレンの西側での行動を監視する。つまり敢て泳がしている。

③ハリー・クリフトン

『アンクル・ジョー』の出版に成功し、英国のみならず米国でも話題作となり、再びハリーは米国へ旅立つ。彼の母が71歳で他界し、ハリーは嘆き悲しむ。

④セバスチャン

サマンサと別れてから新たにインド人であるプリアと恋人同士になる。しかし、プリアは両親が決めた男性と結婚する事が決まっており、インド ボンベイに帰国する。

セバスチャンは、諦め切れず、ボンベイにプリアを捜しに行く。プリアの父親はインドでは有名な事業で成功した大金持ちである。

プリアと再会し、セバスチャンとプリアは英国に戻り駆け落ちしようとするが、父親はその絶大な権力を行使してプリアを捜し出す。あと一歩という所で、警察の銃撃を受け、セバスチャンは負傷するが、彼を守ろうとしたプリアは銃弾に倒れ、命を落としてしまう。

(私も約20年前にインド バンガロールに四年半駐在しましたが、ヒンドゥー教徒はほぼ100%親が決めた相手と結婚する習わしがあります。いまだにカースト制度の名残りがあって、同じ身分の階級でも更に細分化されており、ほぼ同じ階級同士でないと結婚は難しいです。実際に私が在籍していた職場でも同じインド人でヒンドゥー教徒なのに階級が違うということでお互いの両親から猛反対されたカップルが居ました。)

⑤ヴァージニア・フェンウイック

性悪女。エマを名誉棄損で訴えたエマの実兄ジェイルズの最初の妻。

『バリントン海運』の倒産を企て、大量のお金を使った為、ほぼ無一文状態。

実の父からも仕送りを止められる。仕方なく、生まれつき富豪家であるサイラスに眼を付ける。これが彼女の生贄になる、酔ったサイラスに色目を使い、ベッドに直ぐ横になって爆睡したサイラスが翌朝目覚めるとヴァージニアがあたかも一夜を共にしたと言う。そのような記憶がないサイラスであるが、お金をせしめようとする。サイラスは仕方なく彼女のいいなりになったように装い、地元に戻る。

ヴァージニアは弁護士を通して、妊娠したからという理由で養育費をせしめることに成功。実際には妊娠などしておらず、妊娠しているかのように服装で誤魔化し、よりによって、貧困家庭の子供をお金をネタに自分の子としてしまう。

第6部後半へ続く。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA