関税上げるとインフレを誘導すると思うんですが。

例えば、自動車産業。米国の有名な自動車メーカーは、全ての作業を米国内で行なっている訳ではありません。一部の作業は、カナダや、メキシコで行なっています。お互いの国の国境を数回越えながらやっと1台の自動車が完成します。国境を越える度に関税を輸入国が負担します。関税を上げれば、その分を価格を上げる事で対応せざるをえません。最終的には、米国の消費者が負担します。つまり、インフレを誘導します。

米国にはボーイング社という航空機メーカーがあります。この機体に搬入されるキッチンシステムは、日本製です。関税を上げれば、結局、航空券の価格上旬に繋がります。航空機向けキッチンシステムは、この日本のメーカーが95%のシェアを持っています。

関税を上げて所得税を下げるとトランプは、言っていますが、これも注意が必要です。この政策は、お金持ちがよりお金持ちになる優遇制度です。外国からの製品に関税をかけても輸出国が払う訳ではなく輸入国の人が払います。

ある意味、関税は、消費税に似ています。外国から輸入した製品を買う米国民に一律かかります。

一方、所得税は、収入によって納める税金の比率が変わります。いっぱい稼いでいる人からは、多く、貧しい人からは、少し。

トランプは、関税を上げてその利益分を所得税・法人税の軽減に充てる事を考えています。

しかしながら元々少ししか所得税を払っていない人にとっては、あまり恩恵はありません。それより関税で価格が上がった商品を買う方が深刻です。富裕層は、所得税が大きく減る訳ですから、その余剰金で新たに株等に投資が可能となります。益々貧富の差が広がる訳です。

米国が1920から1950年代に製造業が繁栄した黄金の時代を再度取り戻したいようですが、そんな夢物語は、夢で終わります。

それよりも各国と共同歩調を行った方がより現実的です。

一つだけトランプ政権が良い事をしたとすれば、それは、各国が自国の防衛を見直し始めた事です。

もう、日本も真剣に核兵器を持つかどうか検討する時代になったと思います。

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