ハリーは、英国へ帰還し、文筆活動を続ける。
彼の息子セバスチャンは頭脳明晰であるが、飲酒・喫煙等
校則を破り、ケンブリッジ大学への推薦が危ぶまれる。
一方、ハリーの妻エマの兄ジャイルズは、エリザベスの遺言の内容に
納得できない元々我儘な性格の妻ヴァ―ジニアと離婚する。
ジャイルズは、労働党の党員であり、英国の議員でもある。
別れた妻は、保守党から立候補したフィッシャーとタッグを組み、
元夫が落選するようにいろいろと裏の手を使う。
結局、数票差で、ジャイルズが再選する。
ケンブリッジ大学への進学が危ぶまれるセバスチャンは、実家に居ることも
出来ず、お金もなく困っていた処に、友人のディエゴ・マルティネスが、自宅を提供してくれて
食事等も面倒も見てくれる。
が、彼の父ドン・ペドロは、裏社会でも有名で、偽札作りをしている。多くの人達も殺害していた。
マルティネスと一緒にセバスチャンはアルゼンチン ブエノスアイレスへドン・ペドロに会いに行く。
ペドロは、アルゼンチンでの偽札作りから、英国への進出を考えており、セバスチャンの父は有名な作家
であることを利用して、”考える人”(ロダン作)の美術品の中に偽札を隠して、英国へ”考える人”
を船で運ぶ。
計画は、”考える人”を英国でオークションに出品し、それをドン・ペドロが買う。
しかしこの計画は、ジャイルズとハリーが息子の消息を追っている間にこの計画があることを突き止める。
英国警察は、”考える人”を英国内で輸送中に、”考える人”を取り押さえ、中身の偽札を全て燃やす。
それを知らずに、ドン・ペドロは、”考える人”を12万ポンドで落札。
”考える人”の中に積まれていた偽札は800万ポンドであった。
ドン・ペドロは大損をしてしまい、どうもこれは、セバスチャンが怪しいと考える。
ウインブルドンのチケットを餌に、ドン・ペドロはセバスチャンにこの話を息子を通して持ち掛ける。
更に、MGA(自動車)を貸して、ウインブルドンまで行くことを提案する。
ウインブルドンへ行く途中、MGAは二台のトラックに挟まれてしまい、セバスチャンは、交通事故で落命してしまう。
ここで第三部は終わり。
