ソ連の田舎イワノフスカヤ村。そこで育ったセラフィマ。
ドイツ兵がこの村にもやって来て、母エカチェリーナがドイツ狙撃兵ハンス・イェーガー
から狙撃され亡くなってしまう。セラフィマは狙撃兵を志願し、母の復讐を行う物語。
母の敵を討つ。が、彼女は自問する。
自分は、イリーナに殺し屋にされ、生きる為に殺す道を選び、生きる意味を得る為に
復讐を望んだ。
どれも違った。
ターニャは、それを拒んだ。自らの家族を殺され、敵を憎まず、それどころか、
治療をする生き方を選んだ。
自然と涙が流れた。悲しみとも喜びともつかない、思いの総量が涙と化して溢れた。
1945年4月30日ヒットラーは自殺し、5月9日に正式に降伏。
ドイツは900万人、ソ連は2000万人以上の人命を失った。
今の世界情勢を見る限り、こんな大きな犠牲の上に何とか成り立っている平和のすばらしさ
を我々は見失っていないだろうか?

