私もボランティア活動を始めて数年が経ちます。
きっかけは、定年退職後、社会と繋がりを持ちたかった事です。
幸いにして社協の活動は、独居老人の世話・保護があります。
私もいつかは、お世話にならないといけないのですが、全く知らない人達
よりも良く知っている人達が居た方が何かと安心だからです。
主人公”みのり”は大学入学の為、故郷から東京にやってきます。
そこで、サークル”麦の会”に入会します。このサークルは、多数の大学
からボランティア活動をする人達で成り立っているサークルです。
みのりは、アルバイトをしながら、お金を貯めて、親しくなった仲間とネパールの小学校でボランティア活動を行います。
彼等の純真な気持ちに感動を受けます。
時は流れて、みのりとその仲間たちは就職して働きはじめます。
ある者はフォトグラファーを目指し、ある者はアジア、中東の恵まれない子供達の取材をします。
みのりは一般企業で働きますが、決してボランティア活動を忘れた訳ではなく、時々、海外へ赴いて
麦の会を通して、活動を行います。
そんな中、ムーミンというあだ名の友人がインドで列車事故に遭い、亡くなってしまいます。
この事件を知り、みのりは、大きなショックを受け、いわゆる”うつ”状態になり会社を辞め、
故郷に帰って、実家のうどん屋さんの手伝いをします。
一方で、みのりの祖父である清美は戦争で右足を失い、義足生活を余儀なくしています。
清美はパラリンピック選手の義足選手である涼花と知り合いになります。
時々会ったり、手紙のやり取りをしていました。後で、その事実をみのりは知ります。
みのりは少しずつ、立ち直り、諦めていた人生に使命が宿ります。人生の目標が出来ます。
小説の後半(p.410)でみのりが言う科白。
『ストリートチルドレンの救済活動をしていたムーミンが、列車の事故に巻き込またことも
世界のどこかに、住んでいた場所が爆破されて逃げるしかない人々がいることも
体中に爆弾を巻いて微笑みを見せる子供がいることも、知らなくてもなんの支障もない。
自分達の暮らしにだって、日々たいへんなことはあるのだ。』
でも私は無知は罪だと思った。

